銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
「(大砲のチャージは完了した。この1発をどこで使うか。グズグズとはしてられんな。)」
「【長引いて困るのは向こうの方だ。向こうの兵は"上"で2人落ちたっぽいからこれ以上のんびりするつもりはないだろう。相手がさっきの大砲で決めにくるとしたら、向こうの手はある程度予想できる。小南ちょっと相談があるんだが。】」
『(まずいな...15分まで残り5分もない。)ラタを援護しろ赤月。』
ギャリリリリ!ギンッ!!ギンッ!!
『(双剣使い。子供のくせに1人でラタを抑えている。どうにか形成を逆転できないかな。まぁ向こうも同じこと考えてるんだろうけど。)』
「(さっきからフードの奴が邪魔だな。こちらの陣形を崩しに来るか。あくまで遠征艇を狙ってくるか。その前にこっちを片付けられれば4vs2でさらに有利になるが......)」
チラと風間は激しい戦闘を続ける太刀川たちを見る。
「(子供なのにやけに落ち着いた動きだな。仕事に迷いがない。ミカゲのサポートがなければ押されるな。)」
「(今は太刀川たちの戦いにこいつを参加させないことが優先だ。)」
「(戦況は互角の膠着状態。敵を誰か1人落とせれば形成は大きくこちらに傾く。敵兵と遠征艇。狙いどころが2つあるのが有利な点だ。敵は"大砲を意識している"はず。この一手で勝負を決める。)」
「さぁ勝負だ。」
お互いが睨み合う時間が続きジリジリと距離を詰められては距離を離しての戦況の膠着状態が続く。
「【とりあえず"重い方"にまとわりついて大砲を撃たせないようにする。チャンスがあれば作戦通りサクッと一発。そんな感じで。】」
「【適当すぎない?】」
「【適当でいいんだよ。こっちには"予知がついてる "からな】」
「【了解】」
『!【ガトリン隊長!2人同時に攻撃してくる気です!】』
瞬時にサイドエフェクトで読み取った海影はガトリンの側へと駆け寄り、守りの体制に入る。
それみたガトリンは海影に小南の相手を任せることにした。
そうしたのは2人の力が互角だと感じたからだ。