銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第16章 ガロプラと小さな傀儡
「壁は鬼怒田さんが分厚く補強済み。壊しちゃダメなものはしまってある。地下だから音も気にしなくていい。上と違ってメテオラも解禁。思いっきりやっていいそうだ。」
太刀川はそう言いながら鞘からブレードを抜いてにっこりと笑う。
「了解」
「OK」
「(まともに当たれば手強そうな相手だが、敵を全て倒す必要は無い。)」
「(遠征艇さえ破壊出来れば......)」
『(それだけで僕たちの勝ち。)』
海影はブレードを構え直すと小南に向かって切っ先を向け、3人を鋭い目付きで睨みつける。
「アンタらのお目当てはこのハンガーの中だ。」
「......!?」
「"遠征艇"をぶっ壊したきゃその前に俺たち3人をぶった斬らなきゃなんないな。」
「(なるほどな。ミカゲの言う通り。これは厄介な能力だ。こちらの目的だけではなくトリオンの情報まで......)」
ピクッ!ドグが反応するその瞬間
強烈なプレッシャーと殺気をラタと海影感じ取った。
「!隊長!」
『!隊長、左!』
ビュ!カッ!!
何も無かった空間から1人の男が姿を現すと2人の声で咄嗟に反応したガトリンの左腕を切り落とす。
「.....!!」
「おっと悪い3人じゃなくて4人だった。」
「姿を消すトリガー......!」
『カメレオンか。』
「【カメレオン?】」
『【うん。姿を消すトリガー。隠密用にも使えるしこうやって攻撃にも使える。結構厄介なトリガーだよ。】』
「(これ見よがしなトリオン反応は隠れた人間を紛れさせる為か。)」
「おっと?カメレオンって......そこのフードはこれを知ってるみたいだなぁ?やっぱりアフトクラトルから来てるだけあるな。」
『!(コイツらなんで僕がアフトクラトルの兵だとわかったんだ?)』
「【ミカゲ。今は余計なことを考えるな。ただ10分で終わらせることだけ考えろ。】」
『【り、了解。】』
焦った様子の海影に指示を出したガトリンはトリガーを即座に起動させ、戦闘態勢をとる。