銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第14章 囚われた銀翼
『っ...』
真っ白なベットに寝かされた少女の手がピクリと動く。
『...ん...ここは...?』
ゆっくりと目を開けると、そこは見知らぬ天井だった。
ここはどこ?と状況を理解するために体を動かそうとしてみたが、鉛のように重く、動かす度に鎖が擦れるようなガシャンガシャンという音が響く。
『何これ。』
咄嗟に音のする方に目を向けると、頑丈な拘束具が四肢に取り付けられていた。
早く外さなければ、そう思い何度も何度も腕を引っ張るが鎖は一向にちぎれる様子はなく、増してや暴れる度に鎖が絡まりさらに行動範囲を狭めていた。
「起きたか。」
突然声が聞こえ、視線を向けるとその先には自分を気絶させたハイレインが銀のトレーを持ってこちらに向かってきていた。
「随分と寝ていたな。」
『気絶させたくせによく言うよ。』
「さて、やっと目覚めたんだ。事に移るとしよう。」
ハイレインはそう言うと銀のトレーに載せた青い液体と注射器を持ってきた。
『な...にをする気だ!!』
「さぁ、なんだろうな?」
ハイレインは怪しげな笑みを浮かべると恐怖に顔を歪める海影を見てハイレインがクスリと笑うと海影の頬を優しく撫ぜた。
「そう怯えなくていい。すぐに終わる。」
ドロドロとした青い液体の入ったビンに注射器の針を入れ、中の液体を吸い上げる。
そしてカンカンっ。と軽く注射器を叩いて空気を出すと海影に針を向けた。
『ヒィッ!や、やだ...怖い...やだやめて。』
「静かにしろ。抵抗しなければすぐに終わる。」
ハイレインはそう言うと海影の首を乱暴に掴み横を向かせた。
未だにいや、いやと繰り返し暴れる海影。
しかし現実は虚しく、暴れたところで拘束具は外れてくれない。
恐怖がピークに達したのか涙をポロポロとこぼれたじめた海影を無視してハイレインは首筋に注射針を刺す。
チクリとした痛みが走り、体内に何か得体の知れない物が入れられる感覚が襲った。
最初は抵抗していた海影も針を刺された途端
抵抗しても無駄だと悟ったのか、抵抗をやめ、ただ何か得体の知れない物が入れられる恐怖に、耐えるようにハイレインの服をきつく掴む。
「終わりだ。」
針が抜かれる。
そしてハイレインは海影から距離を取ると、また優しく頬を撫ぜた瞬間だった。