銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第12章 大規模侵攻
「ハイレイン隊長。この小さな銀翼の鳥をどうするおつもりですかな?」
「殺しはしない。アレを使うだけだ。」
「なんとっ!アレはまだ試験段階であまりにも危険すぎます。我々の世界でも適合者が見つかっていないと言うのに、子供の増してや玄界の者に使うなど。」
アレという言葉を聞いた瞬間
普段冷静なヴィザが取り乱したように声を荒らげ、対してランバネインは訝しげに尋ねる。
「兄、本気なのか?」
「ああ。上手く行けば適合するかもしれない。」
「しかし、リスクが高いのでは?仮に適合したとしても記憶が...」
「それでいい。駒としてつかうには玄界での記憶は不要だ。わかったならすぐに準備しろ。ミラ」
「わかりました。」
「あとは任せたぞ。ランバネイン」
冷たくそう言い放ったハイレインに誰もそれ以上何も言えることなく、命令されたミラは通信気を使いどこかへ電話をかける。
ランバネインはコクと頷くと倒れた海影を優しく抱っこした。
そして去っていくハイレインを見て、2人は気を失った少女を哀れに思う。
可哀想にね...逆らわなければこんなことにはならなかったのに...と。