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もう一度、あなたと【リヴァイ・エルヴィン】

第2章 守りたかった。ただ、それだけ。


「テメェら…!」

「なんだ?まだいたのか。めんどくせぇな…」

「そいつはお前に譲る。だが今度は…こいつはオレの好きにさせてもらうからな…」

そう言い、笑いながらオレの方へ呑気に歩いてきやがる。

腹がたつ。

あぁ腹が立つ。

オレの胸の中にコールタールのようなドロリとした感情が滴り落ちる。

怒りがふつふつと湧き上がり、目の前が真っ赤に染まった。

こんな奴らが、こんな汚ねぇ奴らがリヴァイを殴った?

その時、オレの理性は吹き飛んだ。

そして体中に電気が走るような感覚に襲われる。

この衝動は覚えている。

いつの日か蛇に捕まりそうになった時、この激しい衝動に襲われた。

その瞬間オレはブーツに隠し持っていたナイフを抜き取り、のっそりと歩いてくる男に斬りかかっていた。

「…ぅああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

叫びながら男にとびかかる。

全身が意のままに動いた。

「なっ、やめっ、やめてくれ!うわあぁぁ!」

男の叫び声がやんだと同時にもう一人の男に斬りかかる。

「汚ねぇ手でリヴァイにさわるなぁぁぁぁぁ!!!」

ナイフを逆手に持ち飛び掛かったオレに驚き、男は派手な音を立てながら、床に倒れこんだ

すかさず顔、首、胸、腕、腹…刺せる箇所すべてにナイフを突き立てる。

「うっ…あがっ…」

男の刺した傷から真っ赤な鮮血が飛び散る。

汚い…汚い…汚い…

触るな…触るな…汚ねぇ手で…穢れたその手で…リヴァイに触れるな…!

この衝動は嫉妬からくるのか、怒りなのか、それとも…?

めった刺しにした男に飛び掛かった体制のまま激しく息を吸う。

もう…わからない。

分からない。

リヴァイ…リヴァイ…リヴァイ…

激しい衝動のせいで意識が途切れそうになる。

そんな中オレの心は叫び続ける。

離れたくない

失いたくない

独りになりたくない

離れるのは、失うのは、また独りになるのは、嫌だ

それがオレの独りよがりだったとしても――

見ず知らずのオレを信用してくれたこと。

笑った顔をオレに見せてくれること。

オレに甘えてくれたこと。

ベッドで一緒に寝て、ぬくもりをもらったこと。

―どこにも行かないでほしい

―またオレに笑いかけてほしい

―ずっと一緒にいてほしい

リヴァイ…!

























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