第2章 守りたかった。ただ、それだけ。
はっと気が付き部屋を見渡すと、めった刺しにされて死んでいる男と、首からお腹まで切り裂かれ死んでいる男と、飛び散った血にまみれた壁と――
左の頬を赤くし、飛び散った血にまみれたリヴァイがいた。
「リヴァイ…!」
跨っていた男から立ち上がりベッドに座るリヴァイを縛るひもをナイフで切る。
そして、抱きしめた。
暖かい。
失いたくない。
独りは怖い。
体が震えた。
ふいにリヴァイが全く動かないことに気づき、抱きしめていた手を離しリヴァイの顔を見る。
オレを見ていた。
化け物を見るような眼で、オレを見ていた。
そんな目で、そんな目で見ないでくれ…
違う、違う、オレは化け物じゃない。
違う!
「オレは化け物じゃない!やめてくれ!リヴァイ!そんな眼
でオレを見るな…!」
化け物を見るような、怯えたような眼でオレを見るリヴァイに耐えられずオレは家を飛び出した。
違う、違う、オレは――!
血だらけのまま走った。