第7章 EXAMINATION
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あの日から数日。
キンと冷えた風が胡桃色の木の葉を次々とさらい、今日で12月となった。
“カカシ先生”による修行はおやすみ。
カカシとさきは、二人揃って火影室に来ていた。
「カカシ、さきの修行の成果はどうじゃ。」
「はい、確実に成長し強くなっています。 下忍のレベルは既に超えているかと。」
「そうか。では、さきよ。」
『はい』
「ワシはカカシの指導の腕前は勿論、お主の潜在能力と努力についても信じておる。 しかし、どの下忍も必ず試験を受けそれに合格する必要があるのじゃ。」
『...私に、なにか試験を?』
「そうじゃ。“ワシが試験の合否を決める。” 合格すればお主にも木の葉の額当てをやろう。」
『......私が頂いても良いのですか?』
「“合格”すればじゃがな?」
ホッホッホと火影様は機嫌よく笑う。
一方でさきは、ほんの少しの不安を覚えていた。
(試験...一体どんな...)
さきにとって、忍になることとは、何もないこの世界で死を選ぶではなく生きる意味を掴むということ。
その資格が今の自分にあるのかが、試験によって試されるのだから、不安や緊張も感じるだろう。
しかし、だからと言ってさきは決して後ろ向きではなかった。
(いや、私はどんな試験でも必ず合格出来る。)
私は、あのカカシに教わってるんやもん。カカシのためにも落ちる訳にはいかない。