第5章 私の先生、初めての生徒
午後も修行は続いた。
が、その前に腹ごしらえしようとカカシが提案してきた。
さきが、『お弁当忘れてきちゃった!』と落ち込んでいると「お捜し物はこれかな?」とカカシはお弁当を差し出した。
ああ、もう...ホンマにできる人!! と、心のうちで叫びお弁当を共に食べ、カカシが用意した魔法瓶に入った食後のコーヒーを飲んで、冷え切った体を温めた。
カカシお手製の美味しいお弁当で少しは回復したものの、時刻はそろそろ夕方の五時。
そろそろチャクラも切れそうだ。
はぁっ はぁっ と肩で息をしてしまう。
「次で今日は最後にしよう」
さきの身体のことを気遣ってか、カカシはこれがラストだと言った。
さきは、もう一度カカシの影分身がみたいと嘆願し、お手本を見せてもらって、もう一度術のイメージを練り直した。
残るチャクラを丁寧に素早く練り上げ、もう1人の自分を想像する。
印を十字に結んでもう一度最後に術を発動した。
ボフン! としっかりとした音がした。
(あ、やばい......倒れる...)
ふらっと揺れる視界の中に、もう1人の私がドヤ顔で立っているのが見えた気がした。