第5章 私の先生、初めての生徒
―――――― あの夜から、もう何日も経った。
結局、あの木の周辺にさきの持ち物は見つからず、手がかりも何の有力な情報も手に入れることが出来ないまま時が流れた。
―――――― その日、さきはカカシと共に、火影室へと足を運んでいた。
「今回の調査は、なかなか難題なようじゃな?カカシよ。」
「はい、手を尽くしてはいるのですが、今のところ何の手がかりもありません。」
「そうか…」
パイプを口に運び、二・三口煙を吐き出したところで、次はさきに問うてきた。
「さきよ。このまま何もせずに月日が流れていくのを待つだけではさぞかし辛いであろう。 どうじゃ、何かやりたいことは無いか?」
……やりたいこと。
こんなこと、火影様に言っていいのか分からないけど…
助けを求めるようにチラとカカシを見ると、うんと首を縦に頷いてくれた。
(よし……)
キュッとさきは手を握りしめた。
薄く唇を開き、少し緊張した声色で意志を表す。
『火影様……私は、忍になりたいです。』
忍になりたい。
それは、ここに来てからほとんど直ぐに固まっていた決心。
その思いは時が流れた今も変わらず胸に留まっていた。
「……忍者は多くの危険と隣り合わせじゃ。 生と死が常にお前に付きまとう。 甘くはないぞ?本当に良いのか。」
『はい、心はもう決まっています。』
さきの目は真剣に火影様の目を捉えていた。
そのおかげでさきの意思が通じたのか、彼はホッホッホと笑い、力強い口調でさきへ最後の問を投げた。
「よう言うてくれた。……それでは夜野さきよ。 ここ木の葉隠れの里に忠誠を近い、真の火の意志を継ぐ忍として生きてくれるか?」
『はい』
さきは、この世界で生きることを宣言した。