第63章 Shell
「サスケも、一族の闇に囚われておる…抑えきれん復讐心を持って生きているであろう…力を求めるのも頷ける。
だがあの呪印の力などに頼ってはならん。
お主はカカシの部下になるより前に、サスケと打ち解けてくれた。任せて悪いとは思うておる。しかし、適任はお主しかおらん…
サスケの心を守ってやってくれんか…」
『…えぇ…なんとかしなければ……本当に…。…火影様、これからカカシに会っても良いですか?』
「良かろう。今は上忍待機室でおるはずじゃ。お前も、第二の試験終了時には棟に来るようにな。」
さきは火影様に一礼し、カカシがいるであろう上忍待機室へ向かった。
とにかく、気が気でなかった。
弟のように可愛がっているサスケが狙われている…そう考えただけでも首が絞まるような思いだ。
(サスケくんは…ナルトくんとサクラちゃんも無事なのかな…今、どうしてるんだろう)
あの子達のことが心配で、怖い。
そう、怖い。それが1番だった。
そして、捉えたはずの雨隠れの抜け忍、大蛇丸のこと、サスケ自身の復讐心…―――問題ばかりだ。
未だ止まらぬ嫌な予感は、ゾクゾクとさきの体を駆け巡り、悪寒となって現れた。
「カカシっ…」
はやく、はやく。
走る足は震えているせいか、疲れているせいか、重くて重くて仕方なかった。