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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第59章 見送り


「…でもねえ。こいつらあのカカシとさきのとこのでしょ… 二人が推薦した奴らなら、私も期待してるんだけどね」

 アンコはさらに少し表情を歪めた。
 私情を挟み込み、且つ彼らの実力をあまり信用していない口ぶりのイルカ先生にあまり良い心地はしてないようだ。
 その傍らで、さきはふぅ…と息を吐き、なるべく明るい笑顔を取り繕ってイルカ先生に告げた。

『イルカ先生……では、“第七班の三人に《合格》を伝え、中忍心得を説明して頂く大切な役目”。どうかよろしくお願いします!』

 簡単にあの子たちが不合格など捕ってくるものか。
 絶対絶対、イルカ先生だってビックリしちゃうんだから。

「……フフっあんたたち二人は…ホントに面白いわね」

 そのさきの言葉に満足した様子で、アンコは上機嫌を取り戻し笑い始めた。
 カカシだけじゃなくさきまでも、この似た者同士の二人は本当に…と。

 イルカ先生の、どこか一点を見つめる表情は浮かなく、曇っていた。
 きっと期待する気持ちと不安な気持ちと…ほかにも色々な感情が彼の中では渦巻いているのだろう。



『…続けますね!第八班…』

 さきはそんなイルカ先生にもう一度小さな笑みを送ってから、再び名簿に視線を移した。

 イルカ先生の気持ちもよく分かる。
 でも大丈夫。あの三人なら必ず通過できる。
 さきはそう信じてやまなかった。

 いつもはそんなに口出しをしないカカシが、イルカ先生とガイの意見を通さず、少し強引に推薦を押し切った時、さきはとても嬉しかったのだ。
 そして、その時のカカシは先生として、とてもカッコよく見えていた。
 教え子を、部下を、誰よりも信じる指導者。

 カカシの部屋を出る直前に、とてもうれしそうに伝えた気持ち…「彼は本当にいい先生だ」と心から思った瞬間だった。

(だから私も、カカシが信じる彼らを、同じように信じてる。)


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