第58章 好き
『……あ…』
太陽の光を浴びた白銀の髪が、キラキラと透けるように輝いて、まるで絹糸のように見える。
自分が早く会いたいと願っていた彼の姿が、どこか当然のようにそこにはあった。
さきは邪魔をしないように、忍足で近づいて、彼の後ろに立って観察した。
カカシは、どうやらさきには気付いてないみたいだ。
「オビト…」
彼は旧友であるオビトの名前を呼び、その後そのまま静かに立ち尽くしていた。
それから、だいぶ間が開いてからまた声を発した。
「さき…」
その自分を呼ぶ声に、え?私?と少し驚きつつ、さきは心の中で『はい』と一応返事をする。
――― カカシはその後、何も声を発しない。
(いや、めっちゃ気になるその続き。
私に面と向かって言えないこととかあるのかな……
あ、もしかして私が居ない方が任務もやりやすいとか…気使わくていいとか…そういう事だったりして。)
さきは勝手な妄想を膨らませた。
そして、
『な…なーに?』
あまりに気になりすぎた結果、さきは遂に声をかけた。