第4章 Inviting Night
さきの目が覚めたのは、既に天に太陽が高く登ってから。
カカシの忠告を聞かず、世界が薄明るく染まる頃まで起きていたからだ。
性懲りも無く床に突っ伏して眠ったはずのさきは、また少し硬めのベッドの上にいた。
カカシの気配はない。
さきはゆっくり起き上がって、食卓テーブルへ近づいた。
そして、一本の飲み物のボトルで抑えられた一枚のメモ書きが目に止まった。
「さき
おはよう。今日も書物を漁りに行ってきます。
お腹がすいたら冷蔵庫の中覗いて見てネ。
帰るのは遅くなるから、そこにいるパックンと行動するのなら、外出してもいいよ。
戸締り忘れずに、くれぐれも気をつけて、オレより早く帰ること。
カカシ」
あぁ今日も仕事に出かけたのか。
私より寝るのが遅かったはずやのに、なんて情けない…
『ていうか…なに? このパックンて。』
パックマン?パックンフラワー?それともパックンチョ?
『え、謎やなぁ…』
「何が謎なんだ?」
カカシがいないこの部屋には自分しかいないはずだという認識のさきは、突然の声に目を見開いた。
…え?何処から声が…
慌てて周囲を見渡すが、人などどこにもいない。
「おい、ここだ。」