第49章 若きその姿に学ぶ
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――――― 修行開始から六日目の朝。
さきは、昨晩も帰ってきていないナルトの様子を見に表に出ていた。
ここは自然が多い。
鳥たちが鳴き、草木も多く、体をすり抜けていくようなさわやかな風がとても気持ち良い。
ナルトがいるはずである場所へ行くまでに、彼女も体がなまらないようにと、下忍の彼らと同じく木登りの業を行った。
チャクラなんて言葉すらも知らなかった私が、よくここまで出来るようになったものだ。
そして今はそれを教える側にまでなっているなんて…
そんなことを思いながらスタスタと地面を歩くのと何ら変わりなく、垂直に木を登り始めると、あっという間に高い木のてっぺんにまでたどり着いた。
地面を見下ろすと、草木の緑色や茶色の中に、ひときわ目立つオレンジ色の小さな塊が転がっているのが見えた。
『あ、いたいた……ふふ』
そのオレンジ色が、自分の探していた相手だと認識してクスリと笑い、さきはストッと難なく高い木から降り立ち、さきはナルトの所へ再び足を運んだ。