第49章 若きその姿に学ぶ
『ただいまです』
「あぁ女先生さん。ナルトのやつ、昨夜も帰ってこんかったのか?」
『えぇ。さっき彼の様子を見てきましたけど、疲れ果てて表でよく眠っていたので、起こすのもどうかなと思って…そのままにしてきました。』
さきはニコリと笑ってそのまま大きなテーブルにつく。
みんな心配の声を上げていたが、さきは何も心配することなんてない、と思っていた。
―――――――― 先程、ナルトの様子を見に行った際、さきは彼の眠っているすぐ隣の木をふと見上げた。
その木に残る無数の傷。
何度も何度も自分の力が尽きるまで、己に負けずにチャレンジした証がそこにはしっかりと刻まれていた。
そしてスヤスヤと眠っている彼の顔や服には、土や泥などの汚れがたくさん残っていて、それらがとてもカッコよく見えた。
知り合ってからそんなに時間は経ってないけど、でもあの頃から変わらない子供だと思っていたらそれは大きな間違いだな~…と、どんどん成長していくんだな…と感じながら、さきは金色に輝く彼の頭をそっと優しく撫でた。
(この子には強くなりたい目的がある。 小さい目的から大きな目的までとても明確に。
それがナルトくんの原動力となって、確実に力になっているんだ。)