第44章 仲間入り
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身に付けている衣類をひとつずつ脱いで床に落とすと、パサ…と乾いた衣擦れの音が響く。
淡い水色のレースの下着の上からおろしたての鎖帷子と黒のインナー、それに伸縮性の良いボトムスを順番に身に着けてゆく。
細く引き締まった二の腕にはベルスリーブのアームカバーがベルトでしっかりと固定され、彼女の大好きなピンク色の腰布は動くたびにふわりと揺れる。
首に木の葉の額当てをしっかりと巻き、グリーンのベストを最後に羽織って、パチンパチンとホックを留めた。
鏡の中に映る自分と数十秒間、にらめっこする。
『う~ん……めちゃくちゃ違和感…』
着替え終え、装備品を全て身につけたさきは、コソコソ物陰に隠れるようにして、リビングにいるカカシの元へと移動した。
「なーにコソコソやってるの?」
『や、やっぱり違和感が…なんかちょっと照れるし』
「今日からそれ着て任務でしょ? いいから早く出ておいで」
さきはしぶしぶ、隠れていた棚の後ろから一歩横へ出る。
初めてセーラー服やブレザーなどの学生服を着た時のようなドキドキ感。
『ど…うかな…?』
これは、昨日このベストに合うように、カカシと一緒に選んだ新しい忍服だ。
カカシはさきの姿を見て、右目を柔らかな三日月形に細めて笑った。
「良く似合ってるよ。」
今日から私は、正式な特別上忍。
そして第七班担当上忍であるはたけカカシの直属の部下だ。