第41章 仙人との出会い
自来也はニヤリと笑み、さきの実力とは如何なるものかその目で見定めようと大きく後ろへ飛び、彼女から少し離れたところで見守った。
「お前さんができる術の中で最も高難易度なものを見たいのォ…」
『…では恐縮ですが』
さきはチャクラを丁寧に練り上げ、印を確実に素早く結び、術を使った。
これが、彼女が編み出した術の中で今最も難易度の高いもの。
『火遁・彩火 彩色千輪菊(はなび さいしょくせんりんぎく)』
さきが打ち上げたのは、全てのチャクラの色の彩火。
水色、青、緑、赤、黄、金、銀の計七色だ。
狙った場所に炸裂すると、一瞬遅れて無数の小花が広がるように咲き乱れる。
爆発の瞬間と花咲くタイミングがずれるために、更なる追撃が可能で、更にそれぞれの花ごとにタイミングをずらす事も出来るという、超高難易度の時差攻撃だ。
さきはハァハァと肩で息をする。
『…こ、これが今の最大です。 まだまだ数は増やせますが…かなりのチャクラを練るので、今の私じゃ反動もその分…』
最高の彩火の術を目の当たりにした自来也は唖然とし、暫くの沈黙の後、ニヤリと笑ってつかつかとさきに近づいた。
そして彼女の目の前で腕を組み、大きく仁王立ちをする。
「お前、才能あるのォ! チャクラやスタミナが特別多いわけでもなさそうだが…今のその実力、お前の努力というわけかのォ… 聞くが、お前が強くなりたい理由は何だ。」
自来也のその問いに、さきは一片の迷いもなく答えた。
『護りたいものを護りきるためです』
「そうか…今の術はお前が一人で編み出したのか?」
『いえ、基礎は師と共に…そこからの応用で自分の力で作りました』
自来也は、ほう…と興味津々にまた口角を上げてニヤリと笑う。
「ふふん、そうか…その師の名は?」
『…はたけカカシ』
彼の声は大きく、満足気で、まるで歌舞伎役者の様な口ぶりだった。
「気に入った!! 見事な花火あっぱれよのォ!! 暫くの間ワシもお前の修行の手助けをしてやる!!」