第37章 中忍選抜試験開幕
_______________ 四月某日。
今年一回目の中忍選抜試験が、今日から始まる。
さきは、カカシに淹れてもらったコーヒーを飲みながら志願書にサインした。
これを持って、夕方16時にアカデミーへ行けば本エントリー完了だ。
『ついに今日…か……』
カカシは先程、第七班の任務に行った所だ。
『どんな試験なんやろ』
さきはテーブルの上にペンを置き、うーーんと伸びをした。
…これに合格すればもっとカカシに近づける。
…もっとちゃんと私の役割を果たすことが出来る。
さきはとにかく必死だった。
中忍試験を受けられる条件は任務を8つ以上こなすこと。
さきの今の任務達成数は計40だ。
充分それを満たしている。
因みに内訳はこのようになる。
Dランク →13回、Cランク →15回、Bランク → 7回(何れもカカシまたは中・上忍同行)、Aランク → 5回(何れもカカシまたは中・上忍同行)
下忍になってから5ヶ月の間、さきは努力を惜しまなかった。
毎日数件の任務をこなし、修行も殆ど毎日取り組んできた。
だがそんな彼女でも、あまり今回の試験に対する自信は持っていなかった。
ごく自然に怖いと思っていたし、自信の代わりと言ってはあれだが、不安要素の方がよっぽど多かった。
何より、自分一人でのエントリー…これが何よりの心配だ。
もしチーム戦が行われるとなれば、その組み合わせによっては、仲間同士足を引っ張り合う可能性も十分ある。
『ええなぁ自分とこの班員で行動するの…チームワークか…』
しかしそんなことも言っていられない。
任務はその時々により、メンバーが変わることもある……逆に言うと、班に所属していないさきにとってそれはもう慣れっこなハズだ。
『…よしっがんばらな』