第36章 手合わせ
ビュッ! パシッ!! ヒュンッ!
_______________ 空を切る音。
_______________ 飛び散る汗。
『はぁっ!!』
「ふっ!!」
さきとカカシは休む間もなく、互いに拳と脚を動かし続ける。
ザッ! バシッ! ドカッ!!
乾いた音が鼓膜を震わせる。
_______________ 激しくぶつかる腕と脚。
_______________ 繰り返される攻防戦。
二人の真剣な眼差しが捉えているのは顔や動作だけでなく、互いの“視界そのもの”だ。
さきが繰り出した拳の力をカカシが上手く利用し、ドン!!と肩の後ろを押す。
リィン…とさきの腰に揺れる銀の鈴の音が響いた。
カカシに崩された体制を整えるためさきは咄嗟に地面に手を付き、チャクラを込めた腕の力で上空へ飛び上がる。
『危なっ』
その瞬間、三枚の手裏剣が彼女に向けてシュッ!と投げ込まれた。
この鈴取り合戦は、実戦を模した真剣勝負だ。
さきは右手のクナイを使って弾き返す。
キンキン!と高い金属音が鳴った。