第35章 嫉妬・挑発・ズルイヒト
風呂に交代で入ったカカシとさきは、再び三人の様子を見にやって来た。
彼らは性格や目標は違えど、何だかんだでとても良いチームだ。
「意外に良い任務になったかねぇ」
『そうやね。 みんなイキイキしてた』
「あいつらみんな、鈴取りの時よりチームワーク良かったんじゃないか?」
『ふふっそりゃSランク任務ですから?』
「ふっSランクか…ま、もう二、三回は遊んでやれるかな。 お前の修行にもなるしね」
『ま、たまにはね。 スケアクロウ兄妹…私もすっかり楽しんじゃった』
カカシの表情はとても穏やかで、薄い桃色の唇の隙間から白い歯を覗かせて笑っていた。
優しいカカシの笑顔に、さきもニッコリと微笑む。
カカシはマスクをそっと鼻の上まで持ち上げ、そんなさきの頭にポンと手を乗せた。
そして、彼らに背を向け、隠れるようコソコソと二人はその場を後にする。
兄妹にしては年齢設定が悪かったかな…とか、色々事情を抱えてるんだよ…とか、何気無い会話を交わしながら。