第33章 Sランク任務 -3-
カカシの顔が少しずつ美女に近付いてゆく。
美女に伸ばそうとしている手と逆の手は、ゆっくりと自らのマスクの方へ動いていた。
ゴクリ、と喉を鳴らしながらその様子を窺う総勢11名の物好きたち。
果たしてカカシのマスクの下はどうなって………
「……お兄ちゃん。……私、お腹痛くなってきちゃった」
物陰に潜んでその様子を窺っていたクロが、突然顔色を悪そうにしてお腹を抱え始めた。
「…へ??…大丈夫か?」
『クロちゃん平気? 私もちょうどお腹痛くて…お手洗い行くけど、一緒に行く?』
キョトンとするスケアの隣で、今度はさきもトイレに行きたいと言い始めた。
「へ? さきさんも? …じゃあ、クロをお願いしてもよろしいですか?」
『ええ、もちろん。 行こうかクロちゃん』
カカシが自然に口許を露わにするまであと少しという絶好のタイミングだというのに、さきはプランAを最後まで見届けずして、クロの手を引いてプランAが失敗した場合に集合となっていた場所の近くのお手洗いへと移動した。