第2章 Crying Night
食事を済ませた後は、わざわざお風呂は一番を頂き、寝巻きの服も貸してもらった。
身長差のせいでダボダボのその服は、半袖の袖は肘より長く、ズボンは本来ハーフパンツなのだが、裾が脹脛の辺りまで来ていた。
洗濯機も回して、乾燥機で朝には乾くようタイマーが設定されている。
カカシの対応はどこまでもスマートだった。
彼によると、明日は朝から仮住まいのための服や道具を揃えに買い物に出かけ、その後図書館(書物庫)へ向かう予定だそうだ。
―――――― 夜も更けて、深夜の零時過ぎ。
「オレはソファーで寝るから、さきベッド使ってね」
『いやっ…それはほんまに無理。私、床で寝る。』
「……それじゃオレが困るでしょ。」
『困らへんよ! いつも通りにしててくれた方がいい… これ以上、気、使わんといてほしいんよ…』
さきはあまりにもスマートで計画性のあるカカシの行動に、少しばかり負い目を感じていた。
申し訳ない。そう思った。
『それに早く帰らないと…カカシに迷惑かけられやんよ』
さきは床に三角座りをして、できるだけ小さく身体をまとめ、自身の腕を、カカシが貸してくれたダボダボのTシャツの上からギュッと抱きしめた。
その様子を見たカカシは、ふぅ と息を吐き、足音を立てずに静かに彼女の方へ近づいた。