第31章 Sランク任務 -1-
なんでも、スケアが記事になるスクープを探していたところ、さきたちの何やら面白そうな話が聞こえてきたようである。
失礼にも立ち聞きしていた彼は、その話から金の匂いを嗅ぎつけ、四人に話しかけてきたようだった。
(え、ちょっと待って。 カカシの素顔が里に公表なんてされちゃったらそれこそカカシに迷惑かかっちゃう… というか、私も迷惑やし。 さらにモテられたりしたら…って、もう〜っちゃうやん!それは別の話っ!)
さきはブンブンと頭を左右に振り、余計な考えを振るい落とす。
『ま…まあでも確かに、忍者登録書には素顔の写真が使われるね。』
「なるほど。 誰しもが当たり前すぎてそこを見落としていた。」
「僕も君たちのソレに、一枚かませてもらえないかな?」
「目的はなんだ?」
「そのカカシさんの素顔を抑えることが出来れば、木の葉始まって以来の大スクープになります。 揉み消されるにしても、かなりの額が手に入りますから…」
スケアの背後から、10歳くらいのピンク色の丈の短い着物を纏った、長い黒髪の少女が顔をひょっこりと出し、サスケの問いに答えた。
(次から次へと人増えるやんか…)
『あなたは?』
「私はクロ…スケアの妹で、一緒に旅をしてるの。 お金が入ったら、美味しいごはんが食べたいねって話をしてたんだ」
「ふ~ん?私たちより少し歳下くらいかしら」
「あのさ! あのさ! じゃ~お金が入ったらラーメンみんなで食いに連れてってくれってばよ! 一楽のラーメンは最高にうまいんだぜクロ!」
「へぇそうなの。 食べたことない…お兄ちゃん!」
「ギョーザもいいですよ。 じゃあ決まりですね」
なんだかとんとん拍子に話が進んでいってしまった。
ま、とにかくカカシの素顔をこの子達に見せるまでは協力してあげて、申し訳ないけど、なんとか私がスケアさんとクロちゃんに交渉してもみ消すってことにするか…とさきは考える。
『ふふ…面白くなってきたね』