第31章 Sランク任務 -1-
そしてつい今しがた、ナルトたち第七班の任務が終わったというわけである。
「いよぉーーし! 幾度となく失敗し続けた、オレたちだけのSランク任務。 カカシ先生の素顔を見る! 開始だってばよ!」
◆
「さきの姉ちゃ~~ん!! 約束通り、Sランク任務開始だってばよォ!!」
『はーいはい、Sランク任務ね~…』
(ホンマに来たんかいこの子達は〜まったく…)
ちょうどさきが休んでいた木の枝の下からナルトが彼女のことを呼んだ。
さきは徐に立ち上がり、スタッと軽々飛降りる。
(ま…ちょっとおもしろそうやしね。)
さきはクスリ と笑って、彼らの作戦を確認した。
『それで…何から始めるの?』
「オレってば、ちゃ~んと考えがあるんだってばよ!」
「なに?」
「写真! カカシ先生の今までの写真をすべて探し出せば、いくら何でも一つくらいは...」
「あぁ、言ってなかったけど…それもう私が前に調べた。 ぜ~んぶマスクしてたわよ?」
(キミたちどこまでも必死なのね。 カカシの素顔を見るために…)
ナルトとサクラの会話にさきはなんだか少し感心してしまった。
『うんうん。 いろいろ努力してたんやねぇ』
「火影様に提出する忍者登録書には素顔の写真が使われているはずだよ」
そこに突然、さきたちの背後から謎の人物が話しかけてきた。
手には高級そうなカメラを携えている。
謎の男はパシャリと一枚、彼らに無断でシャッターを切りながら続けた。
「と言っても、それは里の最高機密扱いの書類。 簡単には拝めない代物だけどね。」
「誰だ」
サスケが不機嫌そうに尋ねる。
「僕は写真家のスケア。 スクープを求めて西へ東へ…」
謎の男はスケアという20代後半くらいの細身で長身の男性。
彼は見たところ忍ではなく、自ら写真家だと名乗った。
突然話しかけてくるなんて怪しさ満点ではあるのだが、まあ悪い人でもなさそうだ。
「北と南は?」
『…ナルトくんていいボケするよね。』