第30章 初対面
「さき…?!」
近付いたさきに一番に気が付いたのは、彼女をよく知るサスケだった。
『へへ……来ちゃった』
さきは照れたようにぽりぽりと頬を掻きながら、カカシの隣へと近付き並んだ。
「お前ら、今の彩火は先日から話に上がっていた、くノ一のさきが打ち上げたものだ。 で、彼女がそのさき。 お前達のこの演習の行方をずっと見てくれていた…」
『こんにちは。 みんな合格おめでとう。 今日から私と同じ、下忍やね!』
「えぇー!今の綺麗な花火、忍術ってことか?!」
「そうなんですか?!すごく綺麗な術!初めて見ました!」
ナルトとサクラは二人揃って、「本物の花火大会で見るやつと一緒じゃん!」と目をキラキラ輝かせて喜んだ。
サスケは、なんでお前がここにいる?と、目を丸くして驚いたままだ。
(ま、彩火の術はサスケくんにも初披露だったし突然現れたら驚くか…)
『そ。 私のオリジナルの術。 私はキミたちが合格してくれるって信じてたよ! 本当に…ありがとう。 それと、縄抜けは早く覚えようね』
丸太に縛られたままのナルトをさきがクナイで解放すると、その手足が自由になった彼を筆頭に、なんで自分たちがお礼言われてるんだ?と不思議そうに三人は顔を見合わせた。
さきはカカシの事これからよろしくね、と纏めてギュウっと抱き締めたい気持ちになるも、堪えてニコリと微笑んだ。