第28章 鈴取り演習 -3-
カカシのセットした目覚まし時計が鳴り、タイムアウトとなった。
結局、一人だけ抜け駆けしようとしていたナルトは丸太行きに。
カカシが用意したお弁当は、サスケとサクラのものとなった。
ここからはカカシの頑張りどころだ…さきは祈るような思いで四人を見つめた。
この演習を通してカカシが伝えたい事を彼らに話す…そしてこの子達がどうなるかを見極めて判断すればいい。
さきは近くの木の裏にしゃがみ込み、じっと黙って聞いていた。
「ま!お前らはアカデミーに戻る必要もないな」
「じゃあさ!じゃあさ! ってことは3人とも…」
自分たちの戦いぶりが認められたのかと、満面の笑みを浮かべて喜ぶナルト。
これで晴れて下忍だ…と思ったに違いない。
しかし、カカシの答えは違った。
「……そう三人とも…忍者をやめろ!」
結局、三人とも鈴は取れなかった。
そしてこの演習の最大の目的を見破り達成することも出来なかったのだ。
カカシからすれば、三人には忍者になる資格はないということだ。
「どいつもこいつも、忍者になる資格もねェガキだってことだよ」
サスケはカカシのその言葉にキレて、深く考えもせずに飛びかかった。
しかし、いとも簡単にねじ伏せられる。
(そういうとこやよ、サスケくん…)
さきはサスケの軽率な行動に、軽く拳を握りしめた。