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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第24章 観察


 男子組は遂に喧嘩を始める。
「あーあ始まっちゃった」
 暫くしてからなんだかんだで三人揃って教室に向かったようだが、これは先が思いやられる三人だ…というのがカカシの今の正直な感想だ。
「面白い奴らだがチームワークは無いようだね。オレの試験を合格するのは無理かな。」


(まだ集合時間には余裕があるはずだな…)
 カカシはひとまず、あの慰霊碑に行きたいと思っていた。
 身を潜めていた木から軽やかに飛び降りクルっと踵を返す。
 それから、昨日から班員を伝えると約束していた為さきの元に向かうことにした。





『なんか濃いチームやねその三人』
「ね…」
 慰霊碑を訪れた後、修行中のさきの元へ来たカカシは、彼らを観察したその時の様子を正直に彼女に話した。


「サスケにとどまらず他のふたりも難しいだろうな。全く…オレにはお前しか生徒が出来ないってことかねー」
『何言ってんの。 次の世代にチームワークを教えるのがカカシの役目でしょ。 大丈夫。カカシがいい先生やってことは私が自信を持って言えるから。 きっとヒントをあげれば皆合格出来るよ!』
「そうねぇ…」
『カカシの大切な人は、みんなカカシのことを信じてるよ。 やからカカシも三人を信じてあげよう。ね?』


 さきのその笑顔と言葉に、カカシは「まぁやれるだけやってみるか」と気を取り直し、漸く重い腰をあげた。
 と言っても実際に座っていたわけではなく、心の問題ではあったのだが。
(さてこれから顔合わせとミーティングの為に、もう一度アカデミーへ行かなきゃならないなあ。 とっくにその時間は過ぎてるみたいだけど…)
 カカシはチラリとさきの方を見やった。


「…今日はさき任務ないのか?」
『んーん、あったけど午前で終わった。』
「ああそう……ちょっと見ていく? その三人」
『え!行っていいの? 行きたい!』
「別に問題ないよ。 試験自体は明日の予定だから。 でも、絶対オレに口出ししないこと」
『分かってる。そんなつもりないよ。 行こ?』


 『どうせ早く行かないと遅刻してるんでしょ。こんな時間やし』と彼女はカカシの手を引く。
(あぁ全部お見通しってわけね。)
 すっかり遅れてしまったカカシは、三人が待つ教室へ彼女と二人で向かった。


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