第22章 卒業試験
「随分あの子達が気になってるんだな」
『まぁ、サスケくんのことはね。 ナルトくんはさっきそこで見掛けたから...』
「ふーん。 ま、オレはこれから担当上忍について火影様の指示を仰いでくる。 明日の午前には班員も確定してるし、そうしたらお前にも伝えるよ。」
『うんっ楽しみにしてる。 今日は帰り早い?』
「ああ。早めに帰るよ」
カカシはさきの頭にポンと手を置き、柔らかいピンクブラウンの髪を優しく撫でる。
『そっ分かった、待ってるね』
さきが火影様の元へと向かうカカシに笑顔で『じゃーね』と手を振ると、その場に居合わせていた里の住人による熱い視線がもれなく注がれた。
さきはともかくカカシは有名人だから、人前であんな風にプライベートな会話してるところを見られたのでは、良い注目の的だ...
『はは.........』
一緒に住んでるとかバレたら面倒やな...と、さきは冷や汗をかきながらそそくさとその場から去った。
向かうはサスケの家。
おめでとうを誰よりも先に伝えるためにさきは走った。
その後、彼女は無事サスケに会え、『良くやったね』と褒めちぎり頭をワシワシと撫でてやることに成功した。
しかし返ってきたのは全然可愛くない言葉ばかり。
それでもさきは、サスケを精一杯褒めて祝って甘やかせた。
彼にしてあげられる、彼女にしか出来ないことをしてあげたかったのだ。
どうやら明日からは、うちはの敷地を出て、新しい家での新生活が始まるらしい。
(やっぱり私が言うと図々しさがあるけど、きっと私も何かの力になるから...キミはたくさんの愛情に触れて、前に進むんだよ...)