第16章 THE DAY -4-
「ん?...オレと住むか、住まないか」
『......え、な、えっとなんっ......わわ私?!』
「なに焦ってるの?」
『...焦ってなんかないっ』
「焦ってるじゃない」
さきにとっては少し意地悪かもしれないが、それでも聞いてみたかった。
彼女がどうしたいのか。 どう思っているのか。
実の所、火影様は引き続きさきとカカシが二人で暮らせるようにと広い部屋を用意してくれていた。
さきの下忍試験の際、大切な物を何か一つ取るという火影様の条件に、家を提案したのはカカシだった。
二人で生活するには狭くなってきていた家。
彼女の下忍としての出発に、「何か手助けは出来ないか」と火影様に言われたから、カカシは彼女の新しい住まいを提案したというわけだ。
当然あの家はカカシ自身の家でもあったから、自分の住む場所が無くなることも理解していた。
本当はさきひとりが住める家を...とカカシは思っていたのだが、火影様は何かと色々気を利かせてくれたようだった。
カカシが抱く、彼女に対する思いも火影様は何故かお見通しだったのだ。
...流石木の葉の親心と言うかなんと言うか...