第13章 THE DAY -1-
あぁきっと...私の親友もきっとこんな思いで自分のそばにいてくれたんだろうな、と気付く。
面倒見がよく、優しく明るい親友のあやか。
さきの、未来から目を背けた人生においても、彼女はさきの心の何処かに必ずいてくれた。
『......サスケくん、私はキミの本当の家族じゃない。 でも何かあれば、キミをきっと助けてみせるから、いつでも何でも頼って。 図々しいって怒るかもしれへんけど...キミは私の弟分みたいなもんやから。』
カカシが自分にするように、今度はさきがサスケの頭に手を乗せ、ポンと優しくひと撫でした。
サスケは一瞬驚いたような表情を見せたが、少しの沈黙のあと、表情を元に戻した。
「......次は...お前の体術を教えろ。 お前の時間がある時でいい。」
『...えっ、またここに来ていいん?』
「...毎日は来るなよ」
『サスケくん...』
「お前が弟分と言ったからだ。 だが生ぬるい家族ごっこをただやる理由はオレにはない。 だから必ず修行を付けろ。 ......それから、味噌汁はもう少し濃い味の方が好きだ。」
さきはその返事を聞いて、とても安心した。
あぁもうこれで赤の他人とは言わせない。
彼が持っている悲しみや苦しみから、少しでも立ち上がれるように、前を向けるように、自分も力になってあげたい。
『...ふふ もっとはよ言わんかい。 お味噌汁が薄いってこと。』
さきの初めての任務は、可愛い弟分を家から送り出し、一通りの家事をして夕飯を作り、合鍵で戸締りをして終了した。