第1章 嫌われてない理由【冨岡義勇】
『もう嫌・・死にたい。』
家まであと少しというのに,歩き疲れで倒れてしまった。私の家は,山の上にある。だから登るのに相当の体力を使ってしまった。
?「おお,ちょうどいいガキがいるじゃねぇか。」
『!?』
鬼!?刀を握れ・・。動け・・。
鬼「おっ?体が動かないのかぁ?丁度良い。俺は腹を空かせてだからなぁ,綺麗に食べてやー。」
「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮!!」
鬼「なっ!?くそっ柱か!」
「俺の慧音に手を出すな。」
『義勇さん・・』
俺のって・・
鬼「覚えてろよ!!クソーっ!!」
鬼はそう言い残すと,静かにきえていった。唖然として,立っている私を義勇さんは抱きしめた。
「慧音!!俺は・・だった。」
『?』
「もしもーし,お取り込み中すみません。」
『あっ・・,しのぶさん・・』
「実はですね,冨岡さん貴女の事が心配で寝れなかったみたいですよ♪
しかも,必死になって探していましたし,それだけ貴女が好きなんですよ
冨岡さんはね。」
えっ?嘘だ。嘘だ。義勇さんが?あんなに酷いことをしたのに・・。
「慧音。俺は,お前のことが・・・。だ・・。」
「うふふ,冨岡さん聞こえませんよ〜。もっと大きな声で言ってください♪」
すると義勇さんは大きく息を吸って。
「俺と!!付き合ってくれ!!!!」
鼓膜が破れるくらい大きな声で,私に向けて言ってくれた。
『嘘ですよね・・,義勇さん・・。』
「嘘じゃない。お前を愛している・・。」
夢みたいだ。私を救ってくれたヒーローと付き合えるなんて・・。
もう,返事は決まっている。
『私も,貴方が大好きです!』
「お幸せに♡私は,まだ任務があるので!さようなら。」
としのぶさんは,去っていった。しのぶさんが見えなくなった後に,次はポツポツと雨が降ってきた。
「雨が・・。慧音。行ってから,また伝えたいことがある』
『義勇さん・・。私・・。歩けません・・。』
もう体力が限界だ。歩けない。すると義勇さんは,無言で,私をおぶった。
『ちょっと!!義勇さん!!下ろして下さい。』
「俺の嫁が困っているからだ・・。このまま宿まで行くぞ。」
と,義勇さんは私を連れて行ってくれた。