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…short  鬼灯の冷徹

第1章 2人の休日(鬼灯、甘)


窓から入る暖かい日差し。
風に揺られるカーテン。
平和とも言える様なこのひと時。ここが地獄であることを忘れてしまいそうになる。

「鬼灯様ぁ、離してくださいよぉ…」

控えめ過ぎる可愛らしい声が部屋にぽつり。
しかしその声に反応する声はない。
聞こえてくるのは規則的な寝息と椿の溜息。

「鬼灯様ぁ、起きてるでしょー?もぅ…」

椿はまたも問いかける。
しかし、当の本人、鬼灯は椿をがっちり抱きしめ夢の中である。
抱きしめ、というよりほぼ抱き枕状態である。
そんな鬼灯に椿は、

「寝ちゃったら意味ないじゃないですかぁ」

『折角2人の休日なのに』と呟きかけた唇に口づけが落ちる。
触れるだけ、ほんの少しの口づけ。

「…うるさいです…折角2人の休日なんですから…椿も私のように眠ればいいのです…。貴女を抱いて眠るなんてこんな時くらいでしょう…」

そう言って椿を抱きしめ、寝息を立てる。
椿は再び不機嫌な顔を見せるものの、鬼灯を抱きしめ呟く。

「これくらい、頼まれればいつでもしてあげます…鬼灯様」

ぽつりと呟き、椿は鬼灯の胸に顔を埋め、夢の中に落ちていく。
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