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短編集●色んなキャラと365のお題

第31章 頑張ったね 東リベ 半間修二 切なめ





自分が思っているより欲張りだと気づいた。


31.頑張ったね


「修二?」

雨の中、真っ暗な裏路地でフードをかぶって
うずくまっていたのは、半間修二。

詳しくはよく知らないけれど、
歌舞伎町の死神 とも呼ばれているらしい。


私からしてみればいつもこの路地裏に
寂しそうな顔でうずくまっている男の子。



「さん。何してんの?」

いつものように少しめんどくさそうな声で
そういいながら私を見上げた。


「それはこっちのセリフ。風邪引くよ。」

修二に手を差し伸べると
彼は私の手を取って、立ち上がる。

彼の手は驚くほど冷たくて、この雨の中、
何時間ここにいたのかと、問いたくなった。



---



いつもと同じように自分の家に招き入れる。


「風邪引くから、お風呂入って。」

修二を脱衣所に押し込んでみたが
なんだか様子がおかしい。


「修二?」

脱衣所のドアを開けると
立ったままの修二が私を抱きしめた。

「・・一緒に入んねえ?」


これまでそう言うことは何度もあったから
今更恥ずかしがることもない。
と言えばそうなんだけど。


修二が私に問いかけることは珍しかった。



「着替え、持ってくるから先に入ってて?」

彼の頬に手を伸ばして、
高い位置にある顔を引き寄せ、キスをする。


修二はわかったとでも言うように
私の額にキスを落とした。



自分の着替えと修二の着替え、
バスタオルを2つ持って脱衣所に置く。

修二のびしょ濡れの制服と
彼のおかげでびしょ濡れになった自分の制服を
洗濯乾燥機に放り込んだ。



「修二、お湯どうかな?」

なるべく、いつも通りを装ってみたが
一緒にお風呂に入った記憶がなく
少し緊張しながら浴室のドアを開ける。


「あぁ。」

なんとも言えない返事をしながら
修二は乳白色のお湯に浸かっていた。



広くない浴槽で彼の向かい側に座ろうと
足を入れると

「こっちこいよ。」

修二は私の手を引く。


「ぅ、うん。」

彼にもたれかかるように座ると、
修二の足に挟まれ、長い腕が私を包んだ。



「さん。」

回された腕にギュッと力が込められる。


何かあったのかと聞く余裕もなく、
私は彼の腕をギュッと抱きしめた。


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