第2章 花客
「 本当に、ご迷惑ばかりすみません…、 」
「 …、別に貴様を責めている訳ではない。元はと言えば術の隙を与えた不死川も不死川だ。 」
「 それでも、あの。本当に、 」
「 ふふ、良いんですよ。今はゆっくりと休んでください。ほら、宇髄さん、伊黒さん。行きますよ。 」
「 ま、あんま気に病むなよ。俺たちに関しては完全に自業自得。最も、易々と嵌ってやる気もないけどな。 」
「 …ありがとう、ございます。 」
鬼の首を狩る組織、鬼殺隊。日の神のご加護を賜り、剣を振るう。その、最高位である柱とは、何処か人間場晴れしたような鋼鉄のような人たちだと思っていた。
しかし、それは単なる私の中の弱さが生み出した幻影に過ぎず、こんなにも暖かい人たち。
申し訳なさと感謝の念と、慕う心。久しく感じていなかった心の温まる感覚に、そっと、目に浮かんだ涙を拭う。
誰の手かは分からないが、 ———— 強く優しい手が頭に触れた。