第4章 指南
「あれ、光秀さんは……?」
「いつの間にか姿が見えませんね」
「大方その辺りで一息入れてるんだろ。にぎやかなのは得意じゃない奴だしな。光秀の分を届けてくる。茜たちはゆっくりしてろ」
お茶とお茶請けをお盆に載せ、政宗さんが外へと出ていった。
(いなくなったことに全然気づかなかった……。狐に化かされた気分。あっ、もしかして……)
「光秀さんが出ていったのは秀吉さんの話になったからかな。あのふたり、あんまり仲よくないんだよね……?」
「仲よくないどころか、犬猿の仲で有名だよ」
「茜ちゃんも気づいた?私もここに来てから、ずっと気になってたんだよね。」
蘭丸くんと舞ちゃんが顔を見合わせて、頷く。
(やっぱり……。蘭丸くんが城に戻ってきた時も、掴み合いになる寸前だったっけ)