第4章 指南
「茜様、お疲れのご様子ですね」
「朝からずっと講義続きだったから。休憩をお願いしたところなの」
「それはちょうど良かったです。お茶をお淹れしようと思い、茶葉を持って参りました」
「はいはーい、俺が淹れたげる! 三成様はお手伝い役ね」
天使のような笑みを浮かべる三成くんと、子犬のような蘭丸くん、二人の雰囲気に癒されて、穏やかな空気が広まった。
「わぁ、ありがとう!」
(助かった、やっと息がつけそう!)
長時間の緊張から解放されたその時、また襖が勢いよく開いた。
「おっと、先を越されたか」
「あれっ?三成くんと蘭丸くんも居たの?!」
「舞ちゃん、政宗さん、どうしたの?」
「お前に差し入れを持ってきた」
「茜ちゃん、光秀さんに虐められてない?」
政宗に渡された包みを開くと、ふかしたてのお饅頭が湯気を立てていた。
(美味しそう……!)