第4章 指南
採点を終えると、光秀さんは感心したような表情で顎に手を添えた。
「……いやはや、度肝を抜かれたな。お前の頭脳には驚かされる」
「よかった……! 案外正解できてました?」
「逆だ」
(わっ……)
耳たぶを指でピンと弾かれ、とっさに手のひらで耳を隠す。
「お前の耳と目は飾りか? 先の世から来たと言っているが、今まで何を見聞きして生きてきた? お前は舞とは違うと思っていたが…」
「だから…、光秀さんのそれっ…!舞ちゃんに失礼ですから!」
「なるほどなるほど。人のことは、一丁前に庇うことは得意なんだな。なかなかに鍛えがいのありそうなおつむだ」
(……っ)
あやすように頭をひと撫でされ、反抗心が湧いてきた。
「子ども扱いしないでください。ちゃんと勉強すれば社会情勢くらい理解できます、大人ですから!」
「言ったな?」
…………