第3章 龍虎退治
(大変なことになっちゃった……。これがこの時代の現実なの…?)
光秀さんが出て行った後、潜り込んだ布団の中で目を閉じると今日のことが走馬灯のように頭の中を巡る。
目の前で放たれた弾丸によって倒れる敵将の姿が、刀で斬られる者が、矢に打たれる者たちが次々へと倒れ、野原が赤く染まってゆく凄惨な光景。
(……ダメだ…っ…怖い……。怖くて眠れない……)
布団の中で身を丸くして、冷えた自分の心を抱きしめる。
舞ちゃんの代わりを願い出た時点で、死ぬ覚悟はあった……はずだった。
だけど……、今日見たものは……、私が見てきた死とは余りにも掛け離れていて、恐怖で押し潰されそうになる。
(死んだら…、秀人に会えると思ったのに……)
重い体を起こして布団から出ると、少し開けた障子から月明かりが部屋を照らす。
その頼りなさげな明かりを頼りに、タイムスリップした時に持っていた鞄を探す。
鞄の中をゴソゴソと漁ると、スマホを取り出した。
(良かった……まだ付いた…)
充電がいつなくなるか分からない中、電源が入ったことにホッとすると、写真のフォルダをタップする。