第15章 仕返しのキス
「……っ」
下顎から蹴り上げられて、天井を仰ぐ。
「……やれやれ、初手から激しいことだな」
暴力の余韻を味わうように光秀がゆっくりと向き直るのを、武士たちは息を詰めて待った。
「……どうした、そんなに見つめて。貴殿らは、よほど俺に夢中と見える」
「黙れ!」
「牢人ごときが偉そうにのさばりおって! 今すぐ叩きのめして、泣きながら詫びさせてやる……!」
「まあ、そうせかせかするな。時間はたっぷりとあるからな」
光秀は目を細めると、口の中の血をプッと吐き捨て背筋を伸ばした。
…………
……