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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第14章 化け狐と今宵かぎりの想い
「……そうして、ください」
「…………」
「あなたが私にくれるものが、本物の優しさだと……私に思わせて、騙しきってください。今だけで、いいですから」
「茜……」
腰に腕が回り、強く引き寄せられる。
私もそっと広い背中に腕を回し、抱きしめ返した。
(心臓の音、速くなってる……。でも、どっちの?)
乱れる心音が重なって、聞き分けできない。
けれど、それももう、どうでもよかった。
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