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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第3章 龍虎退治



…………


(ん……)

布団の中で目を覚ますと、真夜中だった。

(どうやって安土城まで帰ってきたんだっけ……)

ぼんやりする頭の中を整理しようとすると…
暗いはずの部屋が突然、明るくなり、目の前には見慣れた景色が広がっていた。

(ここは…?病室?!)

あたりを見回すーーー

と……

真っ白な部屋のベッドの上で、向日葵のような笑みを浮かべ私を見つめる人がいる


「は……、秀人……。」

そこに居るのは…、逢いたくて逢いたくてたまらなかった人
もう二度と逢うことは、叶わないと思った人

私のたった一人の……

愛しい人ーーー



(ここは……、秀人が入院してた病室…?)

「秀人…、どうして……?」

(もしかして…、タイムスリップした…?!秀人が生きてる時間に…?)

死んだはずの恋人が、目の目で両手を広げている


「しゅ……秀人…っ……!!」

死んだはずの彼がなぜここにいるのか?
頭の隅にふっと疑問が浮かぶけれど、そんなことはどうでも良かった。
幽霊でも物の怪でも、なんでもいい。
今、私の目の前には、逢いたかった恋人がいる。
恋しくて堪らなかった彼がいる。

私は迷わず、その腕、目掛けて身体を投げ出した…



ーーーーー瞬間…っ……


はっ!!

と、見開いた視界の先は、病室でもなんでもなくて

木の板が寸分の狂いもなく整然と貼られている天井だった。

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