第13章 大切な人
光秀さんに叩き込まれた歴史の授業の、重要人物のひとりだ。
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「没落した将軍……?」
「そうだ。天下布武を掲げ日ノ本の統一を目指す信長様は当初、彼の後ろ盾になられていたんだが……、どうやら、身分の低い者が自分を差し置き力を振るうのが、将軍はお気に召さなかったらしくてな。信長様に戦を挑んで敗北し、京を追われて流浪の身となった。今では、鞆の浦に身を寄せていると聞く」
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(信長様と争って負けた将軍、この国の大名がもてなしてるってことは……)
謀反の疑いが、確信へと変わっていく。