第12章 その感情は
戦場で光秀さんが敵将を撃ち抜いた時、そう知った。
(自分が絶対に正しいと思ってても、簡単に揺らいだりする)
この手で引き金を引いた瞬間、身体を駆け抜けた高揚は、忘れられない。
(でも……)
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「人殺しに礼などするな。俺は人を殺め、そうすることでお前と共に生き抜いた。お前はその現実に傷ついた。割り切れないんだろう? だったら、そのままでいればいい」
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(光秀さんはあの時……、『そのままでいい』そう言ってくれた)