第12章 その感情は
気持ち悪いと笑みにもう嫌な予感しかしない。
「な……なんですかっ……」
「いや、なに……。お前もせっかくの機会を逃して、当てが外れたろう?なんなら、俺が相手をしてやってもいいぞ」
(何……言ってんの?この人?!)
背筋にゾッと悪寒を感じると、私は踵を返して駆け出した。
しかし、詰められてしまった距離が私を逃げ出すことを阻む。
私の手は男に捕らえられると、すぐ近くの部屋に連れ込まれた。
「やめてっ……!離してっ!!!」
捕まれた手を乱暴に振り払われ、その勢いで私は床に倒れ込んだ