第11章 嘲る者
「っ、手をお離しください。……わかりました、ついて行きますから」
「ふん、はじめからそう言えばいいのだ」
(…貴人って、誰だろう? …もしかして……)
さっき、舞台の上にいた義元さんの姿が思い浮かんだ。
舞台の下にいた、私に気づいてくれたのかもしれない
この土地で顔見知りの貴人といったら他にいないし、恐らく間違いないだろう。
それに、義元さんは大名と一緒に行動していた
(そうだとしたら、義元さんは謀反の噂が本当か知ってるかも。それに、この国に義元さんがいる理由も気になるし……)