第11章 嘲る者
これは、もしかしたら敵を知るチャンスかもしれない、と咄嗟に考えを巡らす。
(この感じだと招待を断っても、引きずってでも連れていかれるだろうし。だったら、これをチャンスに変えた方が利口かも。)
知らない土地で単独行動するのは怖いけど、織田軍や光秀さんのために、少しは役に立てるかもしれない。
私の頭にそんな思いが浮かんだ。
ただ、この時代に携帯電話などという便利な通信手段はなく、私がどこへ行くか光秀さんに知らせる方法はない
(お茶って言ってるし、暗くなる前には宿に戻れば大丈夫かな……)