第11章 嘲る者
(とんでもなく偉い人って言ったら、私には信長様以外、思いつかないけど……)
信長様以上の人とはどんな人物なのか、私の好奇心が膨らむ。
「どんな方か気になってきました。ちょっとそばで見てきます」
「俺も行こう」
「押しつぶされんように気をつけてな」
光秀さんに庇われながら、お互いに無言で人波をすり抜け、舞台下から目を凝らす。
派手な着物をまとい、得意げにあれこれ同行者に語りかけている男性が、恐らくこの国の大名だろう。
声は聞こえないものの、どうやら今度ここで行われる祭りについて解説しているみたいだ。