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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第2章 Kiss her hand



立ち去るふたりを、佐助くんは険しい表情を浮かべて見送った。

「佐助くん、あの……私、何かまずいこと言っちゃった?」

「いや、君には何の落ち度もない。気にしないで。ちょうど舞さんに会いに行こうと思ってた。伝えないとならないことがあるんだ。君から伝えて欲しい。いいかな?」

「う…うん」

佐助くんのただならぬ雰囲気に圧倒されて、変な汗が手に滲む。

「……耳を貸して」

「何……?」

「–––早晩、織田軍は戦を始めることになる」

(戦!?)

「詳しいことは今は話せない。舞さんと茜さんはとにかく、強い武将のそばを離れないようにして。織田軍の武将たちに守ってもらうんだ」

「わ、わかった。でも、どうして戦が始まるなんて情報を佐助くんが知ってるの……?」

「今度きちんと説明する。……君を守れなくてごめん。無事に生き延びて現代に帰れるよう気をつけて。」

「……! 佐助くん!?」

(もういない。風みたいに消えちゃった……)

佐助くんは、舞ちゃんがタイムスリップする四年前に飛ばされていて、その間にこの時代で忍者になった強者だ。

そして舞ちゃん同様、佐助くんも、現代に帰るつもりはない、と教えてもらった。

舞ちゃんは、信長様がいるからだとわかるけれど、佐助くんの場合は上司?の事が心配だからとだけ聞かされた。


(佐助くんが心配する上司ってどんな人なんだろう?よっぽどドジっ子とか?)

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