• テキストサイズ

貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第2章 Kiss her hand



みんな、優しくて面白いんだけど…

(……光秀さんだけは、ちょっと苦手なんだよね)

あの人を見かけると、条件反射でつい逃げてしまう。

(考えを読まれるようなあの感じを味わうのは、できる限り遠慮したい……)


「茜様、どうかなさいましたか?」

「あ……ううん、なんでもない。それじゃ行ってきます!」

家康と三成くんに手を振りながら、城門を出る私。

(秀吉さんと蘭丸くんにも何度か案内してもらったから、出歩くのにも慣れてきたな)

覚えたての道をたどり、頼まれていた物を無事に調達すると、私は少しずつだけ城下を散策することにした。
沢山の人で賑わう城下町、行き交う人々は皆、生き生きしている。

(戦の絶えない乱世で、みんな生きることに一生懸命なんだ)

活気あふれる眩しいまでの姿が、自分とは対照的に感じられて、弱い自分に情けないような気分になった


ふと、一軒の店に目をやると、軒先に綺麗な反物がズラリと並んでいる。

(わぁ、いい色……。これ…、舞ちゃん好きそう)

手を伸ばした時、布地の代わりに陶器のようになめらかな指先に触れた。

「あ、ごめん……」

「………す…、すみませんっ…」

触れた指先に慌てて、手を引き、頭を下げる

「あれ? 君は……」

「あなたは……」

(佐助くんたちと一緒にいた人……! たしか『義元』って呼ばれてたっけ)

/ 573ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp