第8章 謀反
「でも……色々、おかしくないですか……?」
「何もおかしくはないだろう。変なことを言う奴だ」
しれっと囁き、光秀さんが私の額に手のひらをあてがう。
まどろみの中、髪を梳かれ、どう考えてもおかしなシチュエーションなのに、意識が曖昧になっていく。
(いつもみたいに、丸め込まれてる……。でも……それが……嫌いじゃない。冷たい手……。気持ちいい……)
「お前は俺の秘密を手に入れた。俺もお前の秘密を手に入れた……。今夜以降は、もっと厳重にお前を監視するつもりだ」
「監視……」
「誰にも俺の秘密をしゃべるな。常に俺の目の届くところにいろ。そうすれば……お前が元の世へ帰る日、無事に送り出してやる」
(……光秀さんと…一緒に居られるんだ……)